【アニメCGスタジオのお仕事 No.5】
システム管理編

 

「アニメCGスタジオのお仕事」と称し、アニメ3DCGスタジオで働くスタッフに実際の業務内容を伺うこのシリーズ。5回目となる今回はシステム管理編、バックオフィス部署である管理部所属のスタッフに初めて話を伺いました!

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▷では自己紹介としてこれまでの経歴から伺ってもよろしいでしょうか。

上保
サブリメイションでシステム管理を担当している上保(うわぼ)です。
経歴としては新卒でゲーム会社にプログラマーとして入社後、同僚だった前代表の小石川さんの誘いでサブリメイションへ転職した形になります。会社ができて3ヶ月ぐらいしてから合流した感じですかね。
当初はプラグインの開発などを期待されていたんですが、実際に3DCGツールを使ったことがなく、開発するにしてもまずはツールの理解を深めるところから、とクリエイターとして仕事を開始しました。並行して、ちょっとしたプラグインの開発というか、整備みたいなものはしてたんですけれども。1番最初に配属されたプロジェクトは2012年公開の『図書館戦争 革命のつばさ』で、私はアニメーターとして参加しました。

▷それが初3D?

上保
そうです、初。そして、初めてアニメのエンドクレジットに名前が載って、しかも劇場版なのでいきなり銀幕デビュー(笑)。

▷確かに、とんでもない初めて尽くしですね(笑)!

上保
その後も主にアニメーターとして仕事をしてたんですが、並行して「パソコンが調子悪い」と言われた時に様子を見たり、ソフトウェアのインストールを行ったりなどの機材管理は私の方で行ってましたね。機材の調達などの外とのやり取りは小石川さんが担当して、現場側の管理は自分の方で行う形で対応していました。
アニメーターとして5年程働いた後、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』ではアニメーターから制作進行へキャリアチェンジしました。というのも、それまでのサブリメイションでは制作進行が担うようなマネジメント含めてディレクターが全部やっていたんですが、流石に仕事の規模が大きく当時のディレクターが「これ以上は無理」とパンク気味になっていたので、私の方で制作進行業務を引き受けたんです。とはいえ、自分でもカットを作ることもあり、クリエイターと制作二足の草鞋を履いている感じでしたね。その後の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』では、当時ほかにも作品を2、3個みていたこともあり制作進行1本で携わらせていただきました。Netflixシリーズ『鬼武者』も最初は携わっていたんですが、そのタイミングで小石川さんが退社され、機材まわりの管理全てを誰かが見なきゃいけないという状態になり、制作進行やクリエイターからは身を引き私の方でそれを引き受けた形になります。

▷須貝さんが社長になったあたりでキャリアチェンジされたんですね。システム管理をお願いします、となった時のお気持ちは?

上保
実は選択肢を会社から2つ提示されていて。システム管理という道か、これまでの制作進行としての経験からその先プロデューサーに向かってのキャリアパスを維持するのもいいよと会社からは言われていたんです。
ただ、私がプロデューサーの道を選んだ場合、これまでの会社のことを知らない方を入れて、その人と新しく信頼関係を築きながらシステムを全部任せなければいけない、新しく入ってきた人に会社の根幹を全部お任せするのは怖い、と感じたので、その時点でプロデューサーへの道というのは自分としては選択肢としては無いなと思いました。

【システム管理とは】

▷では、ずばりアニメCGスタジオのシステム管理職とはどのような仕事なんでしょうか?

上保
メイン業務は、各クリエイターへ渡すPCの準備に加えて、「調子が悪い」と言われた時にトラブル対応をしたり、スタッフが快適に仕事をしてもらえるように準備や管理をすることです。社内サーバーやレンダリングマシンが問題なく動いているかを定期的に確認するといった点検、保守も行います。他社さんとのやり取りに使用しているFTPサーバー(File Transfer Protocol Server)が繋がらないというようなトラブルが起きた際に、原因究明と解決を行うといったネットワーク関係も私の管轄になりますね。
また、現場から新しいツールが欲しいという相談が来た際に情報収集を一緒にするなど導入に向けてのサポートも行ったりします。導入するにあたってどうしても新しいPCが必要になる、あるいはネット回線を専用に引かなければいけない、電源を強化しなければいけないというような話が出た時にも対応していく感じですね。
所属は東京の国立スタジオですが、名古屋と仙台のスタジオも同様に管理しているので、新入社員の入社前などはパソコンの準備をしに出張へ行ったりすることもあります。地方スタジオに関しては立ち上げ段階から携わっていて、物件の内見、床下の配線をどうするかといった工事の手配、会議室の壁をどうやって建てるのかといったレイアウトの検討まで担当しています。

▷物件を見に行くのはシステム管理的にちゃんと目で見て確認しておいた方が良いことがあるんでしょうか?

上保
1番大きいのはOAフロア※の確認ですね。這わせるケーブルの本数がどうしても多くなるので、床が対応していないとケーブルがむき出しで這うことになり、歩きづらい環境になってしまいます。這わせる本数も多いのでOAフロアの広さも見て、ケーブルが全部収納できるか確認する必要があるんです。また、パソコンの台数がとにかく多いので物件の電源容量も重要です。こういった部分は実際に行かないと分からないところがあるので、内見段階から同行していますね。
※OAフロア:配線スペースを確保するために床を二重構造にしたオフィス用の床

▷ソフトウェア、ハードウェアの保守・運用に加えスタジオ施設自体の運用面も含めて丸々管理をされている感じなんですね。先ほど「ネットワークの知識も要求される」とおっしゃっていましたが、そういった分野はシステム管理を任されるようになってから勉強されたんでしょうか?

上保
実は専門的な勉強はそんなにしていなくて、ネットワークの構築や運用については株式会社Tooさんにお願いしている部分が多いんです。私の方でもある程度は調べて対応することはありますが、専門的な部分についてはTooのエンジニアさんの力をお借りする場面が多いです。クリエイティブ向けの製品を扱う総合商社とのこともあり、サーバーや配線の構築、機材の選定などにおいてもお願いする場面が多く頼りにさせていただいています。やはり”餅は餅屋”とはよく言ったもので、いつも的確なアテンドをすぐにしてくださるので助かっていますね。

▷お話を聞いていた感じ日々の業務は社内スタッフのサポートといった内向きな印象があったんですが、外部の方ともやり取りすることもあるんですね。

上保
ネットワーク機材の面倒をみていただいているTooさんが1番多いですね。他にも数社、ソフトウェアや機材の購入でやり取りがあります。ですので多少は社外とのコミュニケーションも発生するようなお仕事になります。

▷ざっくりシステム管理という仕事についてはお伺いできたので、続いて1日のスケジュールはどのような感じでしょうか?

上保
明確なものは基本的になく、トラブルが発生したら即対応、なければ積んであるタスクを片付けるというような感じです。私の場合、9時~10時ぐらいの間に出社して、間にお昼休憩を取り、帰るのは18時から19時ぐらいという勤務をしています。サブリメイションは休憩取得のタイミングも自由なので、昼食も決まった時間というよりはひと段落した時に行くような感じですね。
PCのセットアップをしたり、ネットワークが不調という声があれば調査をしたり、レンダーマシンが落ちてるよと言われたら再起動をかけたりなど基本的には”待ち”でいることの方が多いです。システム管理という仕事の特性上、”待ち”であることが社内のスタッフが健全に仕事ができているということなので、私が暇をしているのがある意味平和な証拠ということ。
ただ当然忙しい時期もあって、例えば3月は新入社員用のPCを準備してるんでバタバタしてたりします。

▷1年間のスケジュールとしては繁忙期は3月?

上保
2月3月ってところですかね。
あとはプロジェクト終わり/始まりのタイミングで、次に向けて新しいツールの導入をしたいと相談を受けることもあります。他にもクリエイターたちが導入しようと思っているけど情報が無く困っている場合は、こちらから「このツール、評判とかどうですか?」とTooさんに問い合わせたりなど、情報収集を私の方でする場合もあります。

▷例えば先日導入したモーションキャプチャー機材「Captury」はそういった流れだったんですか?

上保
そちらに関しては、導入を希望しているプロジェクトのスタッフたちが結構下調べをしてくれていて、私は仲介的な役割でした。調べた上で実際に触ってテストをしたい、と私の方に連絡が来て「じゃあTooさんに聞いてみるよ」とご相談したという流れになります。「モーションキャプチャー機材の体験会を開催するので来てください」とお誘いいただき、実際に3〜5種ぐらい触らせてもらい、その中で良さそうだった機材を今度は貸し出していただき、最終的に導入に至ったという感じですね。私の方に相談してもらうと、それを販売している代理店に聞くこともできるので、そういったコミュニケーションを取ることも多いですね。
社内をぷらぷら歩いて、困ってそうな話が聞こえてきたら首を突っ込んで「どうした〜?」と声をかけ、こっちで解決できる話であれば対応したり、逆に解決はできないけどアドバイスはできそうな時はアドバイスだけして、というようなこともしています。

▷たしかに、上保さんを見かけた際に「そういえばここって…」と相談することはこちらでもよくありますね!

上保
あとは、退勤後チャットに「トラブルが起きています」と連絡が来て、家からリモートで出来る範囲で対応することもあります。先日は会社にとんぼ返りして対応したこともありました。そこまで頻繁ではないですが、こういった緊急のトラブル対応もあったりします。
機材を導入する際に社内ネットワークや電源を落とさなければならない場合には、平日に行うとその間スタッフが作業出来なくなってしまうため休日に対応したり、早めに出勤してスタッフが来る前に対応するというようなことはありますね。基本的には決まった時間の勤務なんですが、先ほどお話した2月3月やトラブル発生時、新規スタジオ立ち上げ時などは忙しかったりします。
日々こなさなければいけないタスクがあるというよりは、トラブルが発生した際のイレギュラー対応をどこまでできるかが重要なお仕事です。トラブルが発生しているということは、納期に向けてスタッフの作業できる時間が減っているということなので「一刻も早く解決しなければ」というプレッシャーは強いです。入社した当時クリエイターとしてアニメーションのカットを作っていて「うわ、締め切りが」と思っていた時よりも、大きなプレッシャーを感じます。
プロジェクト全体で止まっている、全社レベルで止まっているというような場合は、すごくプレッシャーはかかりますが、解決するにも直ぐには難しく、調査したり手順を踏まなければならないので、時間かかるのは仕方がないと割り切りながら着実に進めて対応していく感じですね。

【求める人材】

▷今のお話を受けると土壇場に強いというか、臨機応変な人が良いのかな?という印象を持ったのですがいかがでしょうか?

上保
うーん、そうですね。土壇場に強いよりもひらめきが多いというのは大事かもしれません。要は、何かトラブルがあった時に点と点を繋いで線にできるかどうかということなんですが、トラブルってそれぞれのパソコンの環境や、直前にやっていた作業によって違う症状として現れたりする場合があるんです。それを「同じ現象だけど、こっちはこの要因でそっちは別の要因で発生しているな」とパッと思いつくことが出来ると解決は早くなると思います。

▷ちなみに上保さんご自身は元々結構ひらめきが多いタイプなんですか?

上保
私はそんなに多くないです。基本的に「こうだと思ったらこう」と頭が固いタイプなんですが、私が今やれている理由はケーススタディが頭の中に貯まっているからという部分が大きいですね。

▷長年やられてきた分の?

上保
はい。今も130人分のPCを見ているので、色々なトラブルがある分、解決までの方法も様々でした。加えて、自分が元々自作PCなどが好きで組み立てもやっていたこともあり、知識もそこまで抵抗なくつけてこれたのも大きいです。「これ前に同じ症状あったな」「これネットで見たな」というように最近は対応できることの方が多いです。
ですので、ひらめきがある方がいいとは言ったものの、一緒に長くやってけば知識もそのうち貯まるかと思いますし、もちろんこちらも「そういう場合はこうだよ」と貯めてある知識をお伝えはしていきます。ただ、自分が知識をここまで貯めてくることが出来ているのは、その不具合に遭遇した際に試行錯誤した記憶が刻み込まれているからという要素もあるので、ただ単に共有された知識を使って解決するだけではなく、自身の糧として次同じ場面に遭遇した際にパッとすぐ引き出しから取り出せるようになってくれると嬉しいなと思いますね。そういった意識で一緒にやっていってくれる人がいるといいかなと思います。

▷先ほど社内で”見回りしながら様子を見ている”というお話がありましたが、コミュニケーション能力もやはり大事?

上保
何かトラブルが起きた際は基本的には向こうから連絡が来るので、こちらから積極的に話しかける、いわゆる外交力のようなものはプラスアルファであったらいいよねぐらいですね。
重要なのは情報のキャッチボールがきちんとできるという部分。例えば「こんなトラブルが発生しています」「こんなことがしたいんですがどうしたら良いでしょうか」と来た際に、拡大解釈してしまったり、齟齬があるような解釈をされてしまうと、トラブルの原因の追求も難しいですし、向こうからオーダーされたものに対して全然違うものを返してしまったみたい事態も発生してしまうので、そこはちゃんとズレ無く自分で噛み砕いて解釈できるという意味でのコミュニケーション能力は必要かと思います。
例えると、キャッチボールをたくさん投げ合うというよりは、着実に相手に届く1球を投げ、向こうから来た1球もちゃんと受け止めることができる、みたいな感じがいいかな。

▷いわゆる「読み取り能力」と「伝達能力」が重要なんですね。
他にこういったスキルがあったらいいな、みたいなものはありますか?

上保
自分よりも年上の人たちとやり取りをする方が多いので、物怖じしない度胸はあった方がいいかもしれません。新卒で入社したら基本的に全員年上になるというのはその通りなんですが、それだけではなく場合によっては役員レベルの階層が上の方に向けてお話をするという場面も発生するので、そういったことに対しても忌避感が無い方が良いとは思います。

▷役員の方とは具体的にどういったお話をされるんですか?

上保
1番多いのは、定期的に発生するPCの入れ替えについての提案ですね。Aさん、BさんのPCがスペック的に社内で低いので入れ替えたいです、発注していいですか?という話。他にも、新しいCPU・GPUが出た際に、まず検証用に1台購入して動くかどうか試してもいいですか?という提案をすることもあります。検証用のPCを買うまではいかないまでも、次からこういう機材にするにあたって、値段が上がるんですけど大丈夫ですか、みたいなお話をすることもありますね。
あるいは、Tooさんをはじめとして他社さんとやり取りさせていただく中で、「そろそろあの機材入れ替えた方がいいですよ」と提案される場合もあります。そういう時に、「こういう連絡が来ました、どうしましょうか?」と確認したり。そういった場合も、金額や日付、必要数といった情報をきちんと整理して揃え、導入することによるメリット、導入しないことによるデメリットなども含めて過不足なく伝えることも含めてやり取りが必要になってきます。

▷常にアンテナを立てて情報収集が必要なんですね。

上保
パソコンに関しては新製品情報や使用感の評判などのアンテナは立てておいて欲しいなと思いますね。新製品が出た直後に導入するとパソコンはバグに悩まされがちなので、評判を見てから会社に導入の提案をするので。
ネットワーク関係に関しては基本的には困ったことがあれば、Tooさんに相談して「こんなことに困っていて何かいい方法ないですかね?」とお伺いすることがほとんどです。Tooさんは密接にやり取りさせていただいている分、こちらが必要な情報を良いタイミングで流してくださるのですが、社内の目線でそういったネットワーク関係の新情報を拾ってくれる人がいるとTooさんともやり取りしやすいのかなと思いますね。

▷システム管理としてのやりがいはどういったところにありますか?

上保
全社員分を管理しているという部分で自分が対応しなければいけないというプレッシャー、背負いこんでいるものもありつつ、頼られているんだなと感じますし、そういった部分でやりがいを感じています。自分が対応したり、導入を提案した機材を使ってスタッフがより快適に仕事ができるようになった様子を見たり、声を聞くと嬉しく感じますね。同じ会社にいて顔を合わせるからこそ直接感謝の声をもらうことが多いので、そういった場面でもやってよかったなと思いますね。

あとは、普段だったら触らないようなシステムやソフトの導入に携われるのも面白い部分です。特に先日導入した「Captury」は、マーカーレスでカメラのみで全部処理出来るというもので「すごい!」と思いましたし、それを処理するためのパソコンの準備に関しては自分では使わないような良いスペックのものを提案して実際に組むぞ!と、システム管理としても楽しくやらせていただきました。

【どんな人に来て欲しいか】

▷このタイミングで増員を決めたのには何か理由があってのことなんでしょうか?

上保
今回新しく募集をかけることに決めたのは、率直にいうと130名規模の会社のシステム管理が一人しかいないのはリスクマネジメントの観点で避けるべきだと考えたためです。例えば私が体調不良で休んだ際、現状ではトラブルが起きても対応できる人材がいないんです。その影響で1人の作業が止まる、プロジェクトが1個止まるとなってしまうと、作業時間が削減されてしまい、納期に間に合わせようとスタッフに苦しい思いをさせることになってしまうので、そういった事態を避けるために人を増やしたいと考えています。

▷率直にこんな人に来て欲しいといったイメージはありますか?

上保
まずはコミュニケーションという部分において、相手が何を言いたいのかをちゃんと理解して、必要な情報を返すことが出来る方が良いですね。
加えて、私はネットワークに関する知識をちゃんと体系立てて勉強してきたわけではないので、どうしてもその方面はTooさんに頼っている現状がありますので、「自社にそういった分野の知識がある人がいると有難いな」と感じることがあるのも事実なんです。ですので、サーバーやネットワークに関する知識を持っている方に来ていただけると有難いですね。役割分担といいますか、私がハードウェア周りを担当して、もう一人はネットワーク周りを担当というような形が理想かもしれないです。仕事をしていく中で、ハードウェアについての知識はこちらで教えて、代わりにネットワーク関係の知識を共有して、お互い補いあうような働き方が出来ると嬉しいです。

▷アニメ3DCGスタジオのシステム管理としては、3DCGの知識も必要なんでしょうか?

上保
無くても問題無いと思っています。私は元々クリエイターとして仕事をしていたので、例えば「こんなツールが必要だ」と相談を受けた際に、「それってワークフロー的にいるの?」といったヒアリングができるんですが、絶対に必要!というレベルではないと考えてます。
ただ、あった方が助かる場面は多いかもしれません。サブリメイションのシステム管理に限らず言える話なのですが、どうしても”実際に作業する側”と、”環境を提供する側”とで認識がズレてきてしまうものなんです。これは現場側の知識の範囲における効率化と、提供する側の知識の範囲における効率化というのは必ずしもイコールではないからなんですね。そういった問題に直面した際に突っぱねてしまうのではなく、システム管理側が歩み寄る方が理想の環境が作れると私は考えています。例え結論が「ノー」であったとしても、「確かにそこを効率化すると良くなるのは分かる。けど、こんな理由で難しいんだよ。」と、理解を示した上で説明することで受け入れてもらいやすくなりますし。あるいは、現場の話を改めて聞いた上でもう1歩踏ん張ってどうにか出来ないか、とシステム管理としての観点から再検討を行うことも出来ます。

▷入社するにあたっては必要ないけど、入ってからあるに越したことはないということでしょうか?

上保
そうですね。まずは社内で使われているソフトウェアにどのような機能があるのか?、どんな使われ方をしているのか?という部分から興味を持っていくと良いと思います。そこから現場が何をしているのか、どのように作業を進めているのか、と興味の幅を広げていって欲しいです。先ほど話したように、基本的にシステム管理というのは”待ち”になる場面も多いので、その時間で自分で3Dソフトを触ってみるというようなバイタリティがある方だと嬉しいです。CGについては私が教えることもできますし(笑)。

▷もちろんCGだけではなく、アニメ制作についても含めてですよね?

上保
そうですね。
あとは、直接仕事に関わる部分ではないですが、趣味の話などの雑談に抵抗無い方が良いです。そういった”業務外のコミュニケーション”を嫌わないでくれる方だと嬉しいです。関係無い話をしていていきなりひらめいたり、雑談の中からヒントが見つかることもあるんですよね。

▷となるとアニメスタジオということで雑談のネタもアニメの話ができると嬉しいですか?

上保
実は私、ゲーム派なんですよ(笑)。ですので、個人的な要望としてはゲームの話ができると嬉しいです(笑)。ただ別にそこはアニメ/ゲームに限らず、お互い全然違う分野が好きでも、「あの作品良かったっすよ、どうですか!」「このゲーム面白かったよ!」とお互い勧めあえるとそれはそれで面白いですね。

▷では最後に、この記事を読んでいる方に向けて将来の上司となる上保さんからメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。

上保
会社の根幹に関わる仕事でありながら、表には名前がほぼ出ないかなり裏方の仕事なんですが、全社員の快適な作業環境の構築を担っているという部分で非常にやりがいがある仕事です。自分が管理・保守を担った環境で作られた作品が世に出て評価を受けた際に「実は自分があの作品支えてたんだぜ」と、誇らしい気持ちになれる面白い仕事だなと思います。社員みんなに頼られるポジションなので、この記事をきっかけに興味を持ってもらえたら是非とも来て欲しいですね!

▷ありがとうございました!